膵臓PP細胞は、膵臓ランゲルハンス島という内分泌器官を構成する細胞の1つです。PPはpancreatic polypeptide(膵ポリペプチド)の略で、この細胞が分泌するホルモンの名前でもあります。
膵臓ランゲルハンス島の構成細胞
膵臓ランゲルハンス島は、主に以下の細胞から構成されています。
β細胞: インスリンを分泌し、血糖値を下げる働きをします。
α細胞: グルカゴンを分泌し、血糖値を上げる働きをします。
δ細胞: ソマトスタチンを分泌し、インスリンとグルカゴンの分泌を抑制する働きをします。
PP細胞: 膵ポリペプチドを分泌し、消化管の運動や分泌を抑制したり、血糖値を下げる働きをしたりします。
膵ポリペプチドの働き
膵ポリペプチドは、様々な生理作用を持つことが知られています。
消化管の働き: 食後の消化管の運動を抑制し、胃酸の分泌を抑制することで、消化管を保護する働きがあります。
血糖値の調節: インスリンの分泌を抑制し、血糖値を上昇させる働きがあると考えられていましたが、最近の研究では、血糖値を下げる働きも報告されています。
食欲の抑制: 中枢神経系に作用し、食欲を抑制する可能性が示唆されています。
PP細胞の最近の研究
近年、PP細胞の研究は進展しており、新たな役割が明らかになりつつあります。例えば、群馬大学の研究グループは、PP細胞が膵臓がんの新たな起源となる可能性を示唆する研究を発表しました。
まとめ
膵臓PP細胞は、膵臓ランゲルハンス島を構成する重要な細胞の1つであり、分泌する膵ポリペプチドは、消化管の働きや血糖値の調節など、様々な生理作用に関与しています。近年、PP細胞の研究は進展しており、その役割はますます注目されています。