膵臓PP細胞は、膵臓ランゲルハンス島を構成する内分泌細胞の1つです。PPとはPancreatic Polypeptide(膵ポリペプチド)の略で、PP細胞はこのホルモンを分泌する細胞です。
PP細胞の役割
PP細胞の具体的な役割はまだ完全には解明されていませんが、以下のことが分かっています。
食欲抑制: PPは食欲を抑制する働きがあり、肥満との関連が示唆されています。
消化管運動の調節: 消化管の運動を抑制する働きがあり、消化の調節に関与していると考えられています。
膵外分泌腺の分泌抑制: 膵臓からの消化酵素の分泌を抑制する働きがあります。
血糖値の調節: インスリンやグルカゴンの分泌に影響を与える可能性が指摘されています。
PP細胞の重要性
近年、PP細胞は膵臓がんの新たな起源細胞である可能性が示唆され、注目を集めています。従来、膵がんは主に膵外分泌細胞を起源とすると考えられていましたが、群馬大学などの研究グループが、PP細胞から膵がんが発生するメカニズムを明らかにしました。
この発見は、膵がんの新たな分類や治療法の開発につながる可能性を秘めています。
膵臓PP細胞は、食欲や消化、さらには膵臓がんの発症に関わる重要な細胞です。近年、研究が進み、その役割が少しずつ明らかになってきています。今後も、PP細胞の研究は、糖尿病や膵臓がんの治療法開発に大きく貢献することが期待されます。