膵リンパ上皮囊胞（Lymphoepithelial cyst, LEC）は、膵臓にできる良性の嚢胞性腫瘍の一種です。膵臓の嚢胞性病変の中では比較的まれな疾患ですが、近年、画像診断の発達により発見される機会が増えています。

LECの特徴
良性腫瘍: 癌化する可能性は非常に低いと考えられています。
無症状: 多くの場合、無症状で発見されます。
病理組織: 囊胞壁に扁平上皮とリンパ組織が特徴的に存在します。
LECの原因
LECの詳しい原因は解明されていませんが、先天的な要因や、ウイルス感染などが関与している可能性が考えられています。

LECの症状
無症状: ほとんどの場合、無症状で発見されます。
自覚症状: 大きくなると、上腹部痛や満腹感などの症状が出ることがあります。
LECの診断
画像検査: 超音波検査、CT検査、MRI検査などが行われます。
内視鏡検査: 膵管内視鏡検査で、嚢胞の大きさや位置などを詳しく調べることができます。
病理検査: 嚢胞液を吸引して細胞診を行うか、手術で摘出した組織を病理検査にかけます。
LECの治療
経過観察: 良性腫瘍で、無症状の場合には、定期的な画像検査で経過観察を行うことがあります。
手術: 嚢胞が大きく、症状がある場合や、癌との鑑別が難しい場合には、手術で摘出することがあります。
LECの画像
CT画像では、LECは輪郭が明瞭な単一の嚢胞として描出されることが多いです。

LECは、良性の膵臓の嚢胞性腫瘍で、多くの場合、無症状で発見されます。画像検査や病理検査で診断し、経過観察や手術によって治療を行います。