西洋医学における脾臓
リンパ系の一器官: 血液をろ過し、古い赤血球を破壊し、リンパ球を産生するなど、免疫機能に重要な役割を果たします。
東洋医学における脾臓
五臓の一つ: 脾臓は、単なる器官ではなく、「脾」という概念として捉えられ、消化吸収、血液の生成と輸送、精神活動など、幅広い機能に関わると考えられています。
運化作用: 食物を消化吸収し、その栄養を全身に運ぶ働きを「運化作用」といいます。脾の働きが低下すると、食欲不振、下痢、むくみなどが起こることがあります。
統血作用: 血液を血管内に留めておく働きを「統血作用」といいます。脾の働きが低下すると、出血しやすくなったり、月経異常が起こることがあります。
脾臓と漢方
脾の働きを補う漢方薬は、消化器症状、貧血、疲労感、むくみなど、様々な症状に用いられます。代表的な漢方薬としては、以下のものが挙げられます。
四君子湯: 気虚(気の不足)によって起こる食欲不振、倦怠感などに効果があります。
六君子湯: 四君子湯に温める生薬を加えたもので、冷え性や胃腸虚弱などに用いられます。
補中益気湯: 気虚と血虚(血の不足)を同時に補う薬で、慢性疲労、体力低下などに効果があります。
帰脾湯: 心と脾の働きを同時に補う薬で、不眠、動悸、めまいなどに効果があります。
脾臓と漢方:どんな時に役立つ?
消化器症状: 食欲不振、下痢、便秘、腹痛
貧血: 顔色が悪い、疲れやすい、めまい
疲労感: 体力低下、倦怠感
むくみ: 足がむくむ、顔がむくむ
月経異常: 生理痛、生理不順
精神症状: 不安、イライラ、不眠
漢方を選ぶ際の注意点
漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶ必要があります。自己判断で服用せず、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
脾臓は、西洋医学と東洋医学で異なる役割を担っていますが、どちらも健康維持に重要な器官です。漢方薬は、脾の働きを補うことで、様々な症状を改善する可能性があります。