脾臓は、左上腹部にあるこぶしほどの大きさの臓器です。血液中の古い赤血球を破壊したり、免疫機能を担ったりと、様々な重要な役割を担っています。
SANT(sclerosing angiomatoid nodular transformation)は、脾臓にできる比較的珍しい良性の腫瘍です。2004年に初めて報告された新しい疾患で、その原因は完全には解明されていません。
SANTの特徴
稀な疾患: 脾臓の腫瘍の中では比較的珍しいものです。
良性: 悪性腫瘍に変化する可能性は低いと考えられています。
症状: 多くの場合、症状はありませんが、大きくなると腹部膨満感や痛みを感じることがあります。
診断: 腹部CTやMRIなどの画像検査や、生検によって診断されます。
SANTと他の疾患との鑑別
脾臓に腫瘍が見つかった場合、SANT以外にも様々な病気が考えられます。悪性リンパ腫との鑑別が特に重要です。
悪性リンパ腫: 脾臓に発生する悪性腫瘍として最も多いタイプです。SANTと比べて、より広範囲に脾臓が腫大することが多いです。
治療
SANTの治療は、腫瘍の大きさや症状によって異なります。
経過観察: 小さい腫瘍で症状がない場合は、定期的に画像検査を行いながら経過を観察することがあります。
手術: 腫瘍が大きくなったり、症状が出たりした場合には、手術によって脾臓を摘出することがあります。
SANTは、脾臓にできる珍しい良性の腫瘍ですが、悪性腫瘍との鑑別が重要です。脾臓に腫瘍が見つかった場合は、専門医に相談し、適切な検査や治療を受けることが大切です。