肩関節の痛み:代表的な原因と特徴
肩関節の痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、放っておくと悪化してしまう可能性もあります。ここでは、代表的な原因と特徴について詳しく説明します。
1. 肩関節周囲炎(五十肩)
五十肩は、肩関節周囲の組織が炎症を起こすことで起こる痛みです。40~50代の方に多く発症することから「四十肩・五十肩」と呼ばれていますが、年齢に関係なく発症します。
特徴
徐々に始まることが多い痛み:最初は軽い鈍痛ですが、徐々に激しくなり、夜間痛も現れる
肩の動きが制限される:腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になる
2つの時期に分かれる:
凍結期(数ヶ月~1年程度):炎症と痛みが強く、肩の動きが大きく制限される
解凍期:徐々に痛みと動きの制限が改善していく
原因
関節包や腱板の炎症:加齢による変性や、オーバーユースなどが原因と考えられている
姿勢の悪さ:猫背などの姿勢不良は、肩関節に負担をかけ、炎症を悪化させる
2. 肩腱板断裂
肩腱板は、4つの腱が組み合わさってできた、肩関節を包み込む組織です。この腱板が断裂することで起こる痛みが、肩腱板断裂です。
特徴
突然の強い痛み:転倒などの外傷がきっかけで起こることが多い
腕を上げたり、後ろに回したりする動作で痛みが増す
断裂部位によっては、力こぶに力が入らない
原因
外傷:転倒などによる強い衝撃
加齢による腱板の変性:繰り返しの負担によって腱板が弱くなり、断裂しやすくなる
3. 肩関節インピンジメント症候群
肩関節インピンジメント症候群は、肩関節を動かす際に、腱板が骨とぶつかって炎症を起こすことで起こる痛みです。
特徴
腕を上げたり、回したりする動作で痛みが増す
夜間痛がある場合もある
肩関節周囲の筋肉が緊張していることが多い
原因
姿勢の悪さ:猫背などの姿勢不良は、肩関節に負担をかけ、インピンジメントを起こしやすくする
オーバーユース:スポーツ選手や、肩を使う仕事をしている人に多い
骨格の変形:生まれつき肩関節の骨格が変形している場合も発症しやすい
4. 変形性関節炎
変形性関節炎は、関節の軟骨がすり減ることで起こる炎症です。加齢によって発症することが多いですが、若い人でも関節に外傷を受けたことが原因で発症することもあります。
特徴
慢性的な痛み:起床時や、動き始めなどに痛みが出ることが多い
関節がこわばる:朝起きた時に肩がこわばっている
関節が変形する:進行すると、関節が変形して見た目も変わってくる
原因
加齢:関節軟骨が老化によってすり減る
外傷:関節に強い衝撃を受けたことが原因で軟骨がすり減る
その他
上記以外にも、以下のような原因で肩関節の痛みが起こることがあります。
頸椎症
心筋梗塞
胆石症