胆嚢摘出手術は、腹部にある胆嚢を外科的に取り除く手術です。胆嚢は、肝臓で作られた胆汁を一時的に貯蔵する袋状の器官で、脂肪分の消化を助ける役割を果たしています。しかし、胆石ができたり、胆嚢に炎症が起こったりした場合に、この手術が必要になることがあります。
なぜ胆嚢摘出手術が必要になるの?
- 胆石症: 胆嚢の中に胆石ができる病気です。胆石が胆管を詰まらせたり、胆嚢に炎症を起こしたりすることがあります。
- 胆嚢炎: 胆嚢に細菌が感染し、炎症を起こす病気です。
- 胆嚢ポリープ: 胆嚢の内側にできものができる病気です。悪性化する可能性もあるため、経過観察や摘出手術が検討されます。
手術方法
1. 腹腔鏡下胆嚢摘出手術 現在、最も一般的な手術方法です。お腹に小さな穴を数カ所開け、カメラと手術器具を挿入して行います。傷が小さく、回復が早いというメリットがあります。
手術の流れ
- 準備: 麻酔をかけ、手術体勢にします。
- 切開: 腹腔鏡下手術では小さな穴を、開腹手術ではお腹を大きく切開します。
- 胆嚢の切除: 胆嚢を周囲の組織から切り離し、取り出します。
- 出血の止血: 出血している血管を縛り止めます。
- 切開部の閉鎖: 切開部を縫合します。
手術時間
手術時間は、手術方法や病状によって異なりますが、通常1~2時間程度です。
入院期間
通常、3~5日程度の入院で退院できます。
術後の注意点
- 食事: 医師の指示に従い、徐々に食事を再開します。
- 痛み: 手術後の痛みは、痛み止めを服用することで緩和されます。
- 活動: 医師の指示に従い、徐々に体を動かしましょう。
合併症
全ての外科手術に合併症のリスクは伴いますが、胆嚢摘出手術は比較的安全な手術です。まれに、出血、感染、胆管の損傷などが起こることがあります。
胆嚢を摘出しても大丈夫?
胆嚢はなくても、肝臓から分泌された胆汁は直接十二指腸に流れ込むため、通常は問題なく生活を送ることができます。ただし、油っこいものをたくさん食べると、下痢や腹痛を起こすことがあります。