脾臓は、左上腹部に位置する、こぶしほどの大きさの臓器です。スポンジのような柔らかい組織でできており、主に以下の役割を担っています。
古くなった赤血球の破壊: 血液中の赤血球は、約120日で寿命を迎えます。脾臓は、古くなった赤血球を破壊し、新しい血液細胞の生成を促す役割があります。
免疫機能: 脾臓は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を攻撃するリンパ球を多く含み、免疫機能の中心的な役割を担っています。
血液の貯蔵: 脾臓は、血液を一時的に貯蔵する働きもあります。必要に応じて、貯蔵していた血液を循環器系に戻すことで、血圧を維持したり、出血時に失われた血液を補ったりします。
脾臓の働きが低下すると?
脾臓の働きが低下すると、以下の様な症状が現れることがあります。
感染症を繰り返しやすい: 免疫機能が低下するため、細菌やウイルスに感染しやすくなります。
貧血: 古くなった赤血球がうまく破壊されず、貧血を引き起こすことがあります。
出血しやすくなる: 血小板が過剰に破壊されることで、出血しやすくなることがあります。
脾臓の病気
脾臓には、腫大や破裂などの病気があります。これらの病気は、外傷、感染症、血液の病気などが原因で起こることがあります。
脾臓を摘出すると?
脾臓を摘出する手術は、脾臓が腫れて他の臓器を圧迫している場合や、脾臓が破れて出血している場合などに行われます。脾臓を摘出すると、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなるリスクが高まります。しかし、現代医学では、脾臓を摘出した後も、抗生物質やワクチン接種などによって感染症を防ぐことができます。
脾臓は、私たちの体の中で重要な役割を担っている臓器です。しかし、脾臓の病気は、自覚症状がないことも多く、早期発見が難しい場合があります。健康診断などで異常が見つかった場合は、医師に相談しましょう。