脾臓は、左上腹部の胃の後ろにある、こぶしほどの大きさの臓器です。血液中の古い赤血球を破壊したり、免疫機能を担ったりするなど、私たちの体にとって重要な役割を果たしています。
サルコイドーシスとは?
サルコイドーシスは、原因不明の病気で、肺やリンパ節などに「肉芽腫」と呼ばれる炎症性の塊ができてしまう病気です。この肉芽腫が、全身のさまざまな臓器にできることがあります。
脾臓とサルコイドーシス
サルコイドーシスでは、脾臓にも肉芽腫ができることがあります。これを「脾サルコイドーシス」と言います。
脾サルコイドーシスが起こると?
- 自覚症状:
- 多くは自覚症状がなく、健康診断などで偶然見つかることがあります。
- 脾臓が腫れることで、左上腹部の痛みや満腹感を感じる場合もあります。
- 検査:
- 血液検査: 血液中の炎症反応の数値が高くなることがあります。
- 画像検査: CTスキャンやMRIで、脾臓に肉芽腫が確認できます。
- 生検: 脾臓の一部を採取して顕微鏡で調べ、肉芽腫を確認します。
脾サルコイドーシスの治療
- 経過観察: 多くの場合、自然に治癒することが期待できるため、経過観察が基本となります。
- 薬物療法: ステロイド剤などの薬物で炎症を抑える治療が行われることがあります。
- 脾臓摘出: 脾臓が大きく腫れていたり、出血のリスクが高い場合などには、脾臓を摘出する手術が行われることがあります。
脾臓摘出について
脾臓を摘出すると、感染症にかかりやすくなるリスクが高まります。そのため、脾臓摘出手術を受ける場合は、医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解することが大切です。
め
脾臓にサルコイドーシスの病変ができたとしても、多くの場合は自覚症状がなく、経過観察で問題ないことが多いです。しかし、脾臓が大きく腫れたり、他の臓器に症状が出ている場合は、適切な治療が必要となります。