脾臓にできた腫瘍(しこり)のことを、医学用語で「脾臓の局所病変(SOL:Solid Organ Lesion)」と呼びます。
脾臓SOLの原因
脾臓SOLは、様々な原因で発生します。主な原因としては以下のようなものがあります。
- 良性腫瘍: 血管腫、リンパ管腫、腺腫など
- 悪性腫瘍: 脾リンパ腫、転移性腫瘍など
- 感染: 膿瘍、結核など
- 炎症: 肉芽腫など
- その他: 嚢腫、寄生虫など
脾臓SOLの症状
脾臓は腹腔の奥深くに位置しているため、初期の脾臓SOLは自覚症状がないことが多く、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。しかし、腫瘍が大きくなると、以下の症状が現れることがあります。
- 左上腹部の痛み
- 満腹感
- 体重減少
- 発熱
脾臓SOLの診断
脾臓SOLの診断には、以下の検査が用いられます。
- 超音波検査: 脾臓の大きさを測定し、腫瘍の有無や大きさを確認する
- CT検査: 超音波検査よりも詳細な画像を得ることができ、腫瘍の性質を評価する
- MRI検査: 腫瘍の組織の種類を詳しく調べる
- PET-CT検査: 腫瘍の悪性度を評価する
脾臓SOLの治療
脾臓SOLの治療法は、腫瘍の種類、大きさ、患者さんの状態などによって異なります。
- 経過観察: 小さな良性腫瘍の場合、経過観察だけで様子を見ることもあります。
- 薬物療法: 特定の薬物で腫瘍を縮小させることがあります。
- 手術: 腫瘍が大きい場合や悪性腫瘍の場合には、外科手術で脾臓を摘出することがあります。
脾臓を摘出するとどうなるの?
脾臓は、血液中の古い赤血球を破壊したり、免疫機能を担ったりする重要な臓器ですが、他の臓器がその機能を代償することができるため、必ずしも全ての場合で摘出手術が必要となるわけではありません。
しかし、脾臓を摘出すると、以下のリスクが高まる可能性があります。
- 感染症にかかりやすくなる: 脾臓は免疫機能を担っているため、摘出すると感染症にかかりやすくなります。
- 血栓症: 脾臓は血液中の血小板を貯蔵する働きもあるため、摘出すると血栓症のリスクが高まる可能性があります。
脾臓SOLは、様々な原因で発生する可能性があり、自覚症状がないことも多いです。しかし、早期発見・早期治療が重要です。もし、脾臓に異常を感じたり、健康診断で指摘された場合は、早めに医師に相談しましょう。