生体バランスマッサージ経絡リンパマッサージ 2024.9.2 膵臓とVIP vip

VIP(血管作動性腸管ペプチド)は、私たちの体内でさまざまな働きを持つホルモンの一種です。特に、消化管の働きを調節する重要な役割を担っています。VIPは、血管を拡張させたり、消化液の分泌を促進したりするなど、多岐にわたる作用を持っています。

膵臓とVIPの関係
膵臓は、消化酵素を分泌する外分泌腺としての役割と、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌腺としての役割を併せ持っています。VIP産生腫瘍という、膵臓の特定の細胞がVIPを過剰に分泌する病気があります。この腫瘍によって、以下のような症状が現れることがあります。

水様性下痢: VIPが腸管に過剰に作用することで、腸からの水分分泌が過剰になり、大量の水様性の便が出ます。
低カリウム血症: 下痢によって体内のカリウムが過剰に失われることで、血中のカリウム濃度が低下します。
代謝性アシドーシス: 体内の酸塩基バランスが崩れ、酸性側に傾く状態になります。
VIP産生腫瘍

VIP産生腫瘍は、膵臓だけでなく、消化管や肺などにも発生することがあります。この腫瘍は、比較的まれな疾患ですが、早期発見・治療が重要です。

診断と治療
VIP産生腫瘍の診断には、血液検査、画像検査、内視鏡検査などが行われます。血液検査では、VIPの濃度を測定したり、腫瘍マーカーを調べたりします。画像検査では、CTスキャンやMRIを用いて腫瘍の大きさや位置を特定します。内視鏡検査では、消化管内にできた腫瘍を直接観察したり、組織を採取して詳しく調べたりします。

治療法としては、薬物療法、内視鏡治療、手術などが行われます。薬物療法では、下痢や低カリウム血症を改善するための薬剤を使用します。内視鏡治療では、内視鏡を用いて腫瘍を切除したり、薬剤を注入したりします。手術療法では、腫瘍を完全に切除することが目標となります。

VIPは、消化管の働きを調節する重要なホルモンです。VIP産生腫瘍は、水様性下痢などの特徴的な症状を引き起こすことがあります。早期発見・治療が重要であり、内科医や外科医など、複数の医療機関と連携して治療を進めることが大切です。

もし、この病気についてご心配なことがあれば、医師にご相談ください。