LDH(乳酸脱水素酵素) は、体内の多くの細胞に存在する酵素で、特にエネルギー代謝に深く関わっています。そして、膵臓 もその例外ではありません。
LDHとは?
働き: 体内のブドウ糖をエネルギーに変える際に重要な役割を果たしています。
存在場所: 肝臓、心臓、腎臓、赤血球など、様々な臓器に存在します。
検査の意味: 血液中のLDH値を調べることで、これらの臓器が損傷を受けているかどうかを推測できます。
膵臓とLDHの関係
膵炎との関連: 膵臓に炎症が起こる膵炎では、膵臓細胞が破壊されるため、LDHが血液中に漏れ出し、LDH値が上昇することがあります。
膵臓がんとの関連: 膵臓がんも、膵臓細胞の破壊を伴うため、LDH値が上昇する可能性があります。
その他の膵臓疾患: 膵臓の他の疾患でも、LDH値が上昇することがあります。
LDH検査の意義
膵炎の診断: 他の膵炎の検査結果(アミラーゼ、リパーゼなど)と合わせて、膵炎の診断に役立ちます。
膵臓がんの診断: 他の腫瘍マーカー検査や画像検査と合わせて、膵臓がんの診断に役立ちます。
疾患の進行度評価: 疾患の進行に伴い、LDH値が上昇することがあるため、疾患の重症度や進行度を評価する指標の一つになります。
重要な注意点
LDH値が高いからといって、必ずしも膵臓に異常があるとは限りません。 LDHは、他の臓器の障害でも上昇するため、他の検査結果や症状と総合的に判断する必要があります。
LDHの種類: LDHには、分子構造の異なる5つの種類があり、どの種類が上昇しているかによって、病変部位をより詳しく推測することができます。
まとめ
LDHは、膵臓の疾患と深く関連する検査項目の一つです。しかし、LDH値だけでは診断はできず、他の検査結果や症状と総合的に判断する必要があります。